米英のイラク攻撃に反対し、有事法制の廃案をめざす決議

2003年2月25日 
全日本港湾労働組合 
第24回中央委員会

全港湾は、2月25日に愛知県豊橋市・シーパレス日港福で第24回中央委員会を開催し、米英のイラク攻撃に反対し、有事法制の廃案をめざす決議、労働法制の改悪に反対する決議、地方港の規制緩和に反対する決議(資料参照)を採択し、平和と民主主義、国民的諸課題を取り組みます。

米英のイラク攻撃に反対し、有事法制の廃案をめざす決議

アメリカは、いままさにイラクに戦争を仕掛けようとしている。
 国連安全保障理事会は、2月14日、大量破壊兵器を所持していると疑われているイラクに対する査察の追加報告を受けた。査察団はイラク側の査察協力を一定評価し、理事国のほとんどが、査察の強化・継続による平和的解決を支持する意見であった。査察の打ち切りを主張した米英は、武力行使につながる新たな決議を採択するよう働きかけをはじめた。あらたな決議が採択されようが、されなかろうと米英は3月初旬には武力行使を行おうとしている。
 アメリカのイラクに対する戦争は、グローバリゼーションを謳ったアメリカの世界支配の破綻を武力によって打開し、石油利権の確保と中東支配権を獲得することを目的とするものである。
 日本政府は、アメリカの戦争政策を支持し、政府開発援助(ODA)をちらつかせながら非常任理事国への切り崩し工作に奔走している。また、イージス艦をインド洋に派遣し間接的にイラク攻撃の一翼を担おうとしている。さらに、継続審議となっている有事法制3法案や個人情報保護法案、人権擁護法案などの重要法案について会期延長をしてでも通常国会で成立させるとしている。有事法制3法案をはじめこれら重要法案は、平和憲法を否定し、国民の管理・統制を強化して、戦争に駆り立てる極めて危険な法案である。われわれは、このような小泉政権の戦争政策を断固として認めることはできない。
 アメリカの反戦運動団体が呼びかけた国際統一行動に、1月18日には32カ国で100万人が、2月15日には60カ国、400都市で1,000万人が参加した。いま「石油のために血を流すな」「世界に平和を」の声は大きく盛り上がっている。
 われわれは、唯一の被爆国の国民として、平和憲法を持つ国民として、どの国よりも率先して、戦争の悲惨さと武力支配の無意味さを訴えなければならない。われわれは、軍備を持たない平和憲法の理念にもとづく世界平和の実現とアジアの人々との共生をめざしつつ、イラクに対する戦争に反対し、有事法制を廃案にするため、この点で結集するすべての平和を求める人々と手を携えてたたかうことを決議する。

労働法制の改悪に反対する決議

 政府は、今通常国会に労働基準法、労働者派遣法、雇用保険法の改正案を提出しようとしている。雇用を拡大するためと言いながら、実際は労働者の解雇を容易にし、失業者に低賃金の職場に再就職を促し、正規雇用労働者を低労働条件の不安定雇用労働者に置き換える雇用流動化を目的にしたものに他ならない。
 労働者の最低労働条件を定めた労働者保護法である労働基準法に「解雇自由の原則」を盛り込もうとしている。「使用者は労働者を解雇できる。ただし、正当な理由のない解雇は権利の濫用として無効とする」と言うものである。これまで判例で確立されてきた解雇制約のルールを大きく後退させ、横行する解雇をますます助長するものである。
 有期雇用契約を原則1年から3年への延長は若年定年制の事実上の合法化であり、常用雇用の代替をもたらすものである。裁量労働制の導入・運用手続の簡素化はサービス残業隠しの拡大に悪用されかねない。
 労働者派遣法では、対象労働者を製造業に拡大し、派遣期間を原則1年から3年に延長しようとしている。専門的労働者を対象にスタートした労働者派遣法は、1999年改正で一部の職種を除いて原則派遣対象職種となった。それでも臨時的・一時的労働である定義づけられていたが、今回、その原則すら投げ捨て、雇用責任を持たない派遣先が、安上がりで使い勝手の良い派遣労働者を無責任に使用することをさらに拡大するものである。
 雇用保険法では、保険料率を1.6%まで引き上げるとともに、給付額を引き下げ、低賃金への雇用を促進しようと言うものである。高年齢雇用継続給付の削減は厚生年金の支給開始年齢が引き上げられるなかで雇用継続の途を狭めるものである。
 以上のように今回の労働法制の改悪は、雇用不安を助長するものであり、セーフティネット策と言えるものではまったくない。われわれは、政府の抜本的な雇用対策を求めるとともに、労働法制の改悪に反対して、地域の労働者と連帯してたたかうことを決議する。

地方港の規制緩和に反対する決議

 国土交通省は、各地方運輸局において地方港の規制緩和に関して3回にわたる「地方懇談会」を開催し、港運業者、労働組合、船社・荷主などユーザー、港湾管理者から意見を聞いた。労働側は、地方港の規制緩和に反対し、その必要性はないと主張してきた。懇談会では、規制緩和に反対、慎重、賛成とさまざまな意見が出されたが、「規制緩和ありき」の議論のすすめ方であったことは残念なことである。
 この4月から舞台は、10人程度で構成される「中央懇談会」に移され、来年3月までに結論を得ることになるが、規制緩和を前提とした港湾運送事業法の見直し作業は、法律の全面的な改訂作業になることは明らかである。一方で、スーパー中枢港湾、メガ・コンテナ・ターミナルの選定、構造改革特区による規制緩和の推進が行われている中で、地方港の位置付けは大きく変化していくであろう。
 われわれは、地方港の規制緩和問題を港湾運送事業の規制緩和の総仕上げと位置付け、先行した主要9港や規制緩和されなかった業種の問題を含めた港湾運送全体の問題として、港湾労働者の雇用と職域、労働条件を守る一大闘争と位置付け、組織の総力を挙げてたたかい抜く。
 われわれは、新たな港湾づくりを推進する港湾管理者に港湾労働対策を責任をもって確立するよう要求する。地場の港湾運送事業者の育成を図るよう求めるとともに、港湾運送の安定化を話し合うためにも港湾行政と港湾労使による港湾運送活性化協議会(仮称)の設置を求めていく。さらに事前協議制の活用をすすめていく。われわれは、地方港の問題点を明らかにして、港湾運送の安定化(労働関係の安定化)、すなわち港湾労働者の雇用と労働条件に対するセーフティネット対策の確立なしに、港湾運送の規制緩和が実施されることを絶対に認めることはできない。
 大きく変貌を遂げようとする港湾運送事業にあって、われわれ港湾労働者は、港湾運送の「公共性」と「秩序の確立」という港湾運送事業法の精神を堅持し、港湾運送の秩序の維持と港湾労働者の雇用と生活の安定のために、全国港湾をはじめ港湾産業で働く労働者や関連する労働者と連帯しつつ、地方港の規制緩和に反対してたたかうことを決議する。

2003年2月25日