資料室 – 港湾運送の在り方に関する懇談会 » 港湾運送事業の在り方に関する懇談会

港湾運送の在り方に関する懇談会

港湾運送事業の在り方に関する懇談会

報 告

平成16年2月

目  次

1.はじめに─────────────────────────────1

2.港湾運送事業の規制緩和の経緯───────────────────1 
(1)主要9港の規制緩和───────────────────────1 
(2)主要9港における規制緩和後の経緯────────────────2

3.主要9港の規制緩和の評価─────────────────────3 
(1)規制緩和で期待された効果の評価─────────────────3 
(2)規制緩和で懸念された問題点の検証────────────────6

4.地方港の位置付け、役割及びその実態と主要9港との比較───────9 
(1)主要9港と地方港の適切な役割分担────────────────10 
(2)港湾運送事業における地方港と主要9港の比較───────────11

5.地方港の規制緩和の実施──────────────────────12

6.地方港の規制緩和に伴い講ずべき措置────────────────13 
(1)主要9港の規制緩和に伴い講じた措置───────────────13 
(2)地方港の規制緩和に当たって講ずべき措置に関する基本的考え方───14 
(3)港湾運送事業の安定化策─────────────────────15 
(4)拠出金の確保──────────────────────────19 
(5)検数・鑑定・検量事業──────────────────────23 
(6)港湾運送事業法適用対象港────────────────────25 
(7)引受義務の廃止等規定の整備───────────────────26

7.規制緩和のスケジュール──────────────────────27

8.最後に──────────────────────────────28

 

 

港湾運送事業の在り方に関する懇談会 報告

1.はじめに

 港湾運送事業については、行政改革委員会最終意見(平成9年12月)、運輸政策審議会答申(平成11年6月)(以下、「運政審答申」という。)を踏まえ、事業免許制を許可制に(需給調整規制の廃止)、運賃・料金認可制を事前届出制にすること等を内容とする規制緩和が、平成12年11月より千葉港、京浜港、清水港、名古屋港、四日市港、大阪港、神戸港、関門港、博多港(以下、「主要9港」という。)において先行して実施されたところである。
 主要9港以外の港湾運送事業法の適用対象港である85港(以下、「地方港」という。)の規制緩和について、総合規制改革会議は、「規制改革推進三か年計画(改定)」(平成14年3月29日閣議決定)において、「平成14年度より検討を開始し、平成15年度中に結論を得ること」とし、「規制改革推進三か年計画(再改定)」(平成15年3月28日閣議決定)においては、「平成15年度中に所定の結論を得て、以降速やかに措置を講ずる」こととした。
 国土交通省としては、この方針に従い、平成14年度には、主要9港の規制緩和について影響調査、地方港の実態調査、関係者(労働組合等)ヒアリング等を実施するとともに、各地方運輸局ごとに地方懇談会を開催し、地区港運協会、港湾運送事業者、労働組合、船社、荷主、港湾管理者等の意見を広く聴取したところである。
 さらに、平成15年5月16日に関係者の委員で構成される「港湾運送事業の在り方に関する懇談会」を設置し、地方港の規制緩和について一定の方向付けを行うべく、議論してきたところである。
 本報告は、この懇談会におけるこれまでの議論を整理したものである。

2.港湾運送事業の規制緩和の経緯

(1)主要9港の規制緩和
平成8年12月、運輸省は、市場原理の導入による事業の一層の効率化、サービスの多様化を図るため、「今後の運輸行政における需給調整の取扱について」を公表し、従来の運輸行政の転換を行い、その根幹をなしてきた需給調整規制を抜本的に見直すこととした。港湾運送事業については、需給調整規制の見直しに当たって、港湾の安定運営確保方策の確立が必要であるとの認識が示されたが、行政改革委員会での審議が行われていなかったため、まずはその審議が必要とされ、平成9年より、行政改革委員会において港湾運送の規制緩和に関する議論が進められ、同年12月には、「参入規制及び運賃・料金規制は緩和すべきであること、ただし再び混乱が生じることのないよう、コンテナ荷役と在来荷役、6大港等と地方港の事業者の規模に差があること等を踏まえ、手順を踏んで段階的に規制緩和を進める必要がある」等の最終意見がとりまとめられた。
この最終意見を受け、平成10年より運輸政策審議会において、学識経験者のほか港湾運送事業者、労働組合を含めた関係者において港湾運送事業の規制緩和の具体的内容に関する議論が進められ、平成11年6月、地方港を含め全港で規制緩和すべきであること、ただし港湾運送事業がその特性から過去混乱の歴史を経験したという事実に鑑み、混乱が生じることのないよう、段階的に規制緩和を進める必要があり、我が国コンテナ貨物の95%が取り扱われている主要9港で先行して規制緩和を実施すべきとの答申(運政審答申)が提出された。
この答申を受け、我が国港湾の国際競争力強化のため、港湾荷役の効率化・サービス向上を図ることを目的として、主要9港において事業免許制を許可制に(需給調整規制の廃止)、運賃・料金認可制を事前届出制に規制緩和すること等を内容とする港湾運送事業法の一部を改正する法律が平成12年5月17日に成立し、同年11月1日から施行された。
(2)主要9港における規制緩和後の経緯
主要9港以外の地方港の規制緩和については、「規制改革推進三か年計画(改定)」(平成14年3月29日閣議決定)おいて、地方港の規制緩和について「平成14年度より検討を開始し、平成15年度に結論を得る」とされた。
この方針に従い、平成14年4月から、地方港の実態調査、関係者(港湾運送事業者、労働組合等)ヒアリング等を開始した。また、同年7月から平成15年1月まで、各地方運輸局ごとに地方懇談会を開催し、地区港運協会、港湾運送事業者、労働組合、船社、荷主、港湾管理者等からの意見を広く聴取したところである。さらに、平成13年12月に実施した主要9港の規制緩和についての影響調査(以下、「規制緩和影響調査」という。)に続き、第2回規制緩和影響調査を平成14年12月に実施した。
平成15年3月28日には「規制改革推進三か年計画」の再改定が閣議決定され、「平成15年度中に所定の結論を得て、以降速やかに措置を講ずる」とされた。
これを受け、国土交通省としては、同年5月16日に港湾運送事業の関係者の委員で構成される「港湾運送事業の在り方に関する懇談会」を設置し、地方港の規制緩和について一定の方向付けをすべく、議論してきたところである。

3.主要9港の規制緩和の評価

地方港における規制緩和を議論するに当たっては、まず先行して実施された主要9港における規制緩和の結果について評価、検証する必要がある。主要9港の規制緩和の評価に当たっては、運政審答申において、港湾運送事業における規制緩和の必要性と期待される効果、及び規制緩和による懸念と対応策が示されていることから、それらに従って、(1)規制緩和で期待された効果、(2)規制緩和で心配された問題点の検証といった2つの観点から評価を行った。
(1)規制緩和で期待された効果の評価
 ① 競争の促進による事業の効率化及びユーザーの需要に応じた弾力的なサービスの提供
戦後、港湾運送の安定化が強く要請された時代には、免許制等が大きな役割を果たしたが、近年、アジア諸港の港勢の伸長等による我が国港湾の相対的地位の低下等、港湾運送を巡る情勢が大きく変化するなか、免許制等では事業者間の競争が生まれず、船社、荷主のニーズにあったサービスが提供されにくいという面が問題となってきていた。
このため、新規参入の増加によって事業者間の競争が促進され、効率的で、ユーザーの需要に応じ弾力的なサービスの提供がなされるように主要9港において、事業の免許制から許可制、運賃・料金の認可制から事前届出制へと規制緩和を実施したところである。
平成12年11月に施行された改正港湾運送事業法の施行状況については、平成16年2月1日現在で、新規許可15件、業務範囲変更83件、運賃料金届出157件、協同組合の設立又は定款の変更36件となっており、規制緩和は着実に実施されている。
規制緩和の効果に関して、ユーザーである船社、荷主及び港湾管理者に対して行ったアンケート結果によると、回答者の3割から4割が、規制緩和の効果があったとしており、その理由として、港の活性化、サービスの向上等をあげているが、更なる規制緩和を求める意見もあった。
一方、労働組合からはヒアリング等において、規制緩和は港湾運送事業者の過当競争を促進し、港湾労働者の雇用不安、労働条件の低下を招くなど、コスト削減のしわ寄せを港湾労使に押しつけることになったとの回答も寄せられている。
 ② 港湾運送事業者のターミナルオペレーター業への展開
運政審答申において、港湾運送事業が抱える問題として、波動性や特定荷主及び船社に依存した体質となりやすいこと、商権の影響を受けやすいこと等が指摘されている。これらに鑑み、港湾運送事業者は、今後、事業を拡大し、企業体力をつけるとともに、労務供給的事業という性格から脱皮して、アジアの主要港における事業者のように必要に応じ、自らターミナルを借り受け、ターミナルオペレーターとして事業展開を行う必要があるとされた。
平成10年度には、わずか5%程度であった公社バースへの港湾運送事業者の進出割合は、規制緩和が行われた平成12年度以降着実に増加し、平成15年4月現在約30%となるなどターミナルオペレーター業への進出は着々と進んでいる。
 ③ 港湾コスト競争力の向上
さらに運政審答申では、②で述べた港湾運送事業者のターミナルオペレーター業への進出によって、アジアの主要港にコストやサービスの面で比肩しうる港湾運送の体制をとることができるとされたところである。
40フィートコンテナ1個あたりの港湾諸料金を東京・神戸、香港、ロスアンゼルス、ロッテルダム、シンガポール、釜山、高雄で比較してみると、香港やロスアンゼルスに対しては、近年、港湾諸料金の水準という観点からは優位性を有しており、我が国よりも優位とされる釜山、高雄、シンガポールとの比較でもその差は縮まってきている。
また、我が国の外貿コンテナ取扱量の推移を見ても増加傾向にある。
 ④ 事業規模の拡大及び効率化のための作業の共同化
①で述べたとおり、港湾運送事業は、免許制によって事業者間の競争が制限された結果、多数の中小事業者がそのまま存在する状況となっている。運政審答申において、ユーザーニーズにあったサービスの提供や、事業の効率化を図るためには、事業規模の拡大や企業体力の強化、ターミナルオペレーター業への進出等の新たな事業展開が必要であり、そのためには事業協同組合化の促進等が重要であるとされた。
事業協同組合・協業組合等の結成状況は、平成15年8月現在で78組合であり、うち労働者保有基準に関する特例措置が与えられている主要9港における協同組合は36組合となっており、事業の共同化等は着実に進展している。
 ⑤ 波動性の吸収及び労働力の有効活用
港湾運送事業は景気などに左右される基本的な荷動きによる影響に加え、船舶の運航スケジュールも気象、海象等に左右される等、必ずしも安定的でなく、荷役の実施自体も天候に左右される等日ごとにその業務量に格差(波動性)が生じる。しかし、ニーズに柔軟に対応し荷役を行うためには、港湾運送事業者は常時一定規模の労働者を確保しておく必要があり、このことと波動性のために、労働力が遊休化し、非効率が生じやすいという問題がある。この問題については、④で述べた事業規模の拡大や作業の共同化による事業の効率化、平成12年10月に施行された改正港湾労働法により導入された港湾運送事業者間における港湾運送の業務に係る港湾労働者派遣制度によって対処してきているところである。港湾労働法による港湾労働者派遣制度の対象港である6大港(東京港、横浜港(川崎港含む)、名古屋港、大阪港、神戸港、関門港)における波動性の状況を平成7年6月と平成15年6月の就労延日数で比較すると、ピーク日とボトム日、及び晴又は曇の日と雨の日の差がいずれも大幅に減少し、波動性の減少がみられる。
 ⑥ 日曜荷役及び夜間荷役等の実施
近年、国際競争力の強化国内海上輸送の効率化の観点から、港湾の24時間フルオープン化の早期実現に対する社会的要請が高まってきていた。港湾の24時間フルオープン化については、我が国における港湾物流をより一層効率化する観点から、平成13年7月に閣議決定された「新総合物流施策大綱」において、その早期実現の必要性が盛り込まれたところである。国土交通省としては、平成12年11月の主要9港における規制緩和の実施を契機とし、平成12年度より、港湾運送事業者、船社、荷主、港湾管理者、関係行政機関等の関係者による港湾物流効率化推進調査委員会を設置し、港湾の24時間フルオープン化の実現に向けた諸課題についての検討を行ってきた。
こうしたなか、平成13年11月29日に港運労使による画期的な合意によって、荷役作業については、1月1日を除く364日24時間実施すること、ゲート作業については、土・日・祝日も平日と同様に8時半~20時まで実施することとされた。また、港運労使の合意を踏まえ、CIQにおいても24時間フルオープンへの対応の必要性が認識され、特に税関においては、平成15年7月から主要港を中心に、平日は21時まで、土・日・祝日も昼間については職員を配置するとともに、構造改革特区については、臨時開庁手数料の半減も実施されている。
主要9港における日曜荷役及び日曜夜間荷役の推移をみると、いずれも着実に増加しているとともに、⑤で述べた波動性の推移を六大港全体で平成7年と15年で比較すると、平日と土曜日、日曜日の平均就労延人日数の差は大幅な減少傾向にあり、波動性の解消にも貢献しているところである。
(2)規制緩和で懸念された問題点の検証
 ① 悪質事業者の参入、日雇労働者の増加
港湾運送事業は、過去において、専ら元請事業者と下請事業者との間に介在して手数料等を収受することを生業としたり、日雇労働者を使用して港湾運送事業を営むような悪質事業者の存在を許した時期があった。規制緩和の結果、事業者間の競争が過度に激化し、労働関係が不安定化するともに、再び日雇労働者の労務供給を生業とする悪質事業者の参入を招くおそれがあったため、このような悪質事業者の参入防止という観点から欠格事由の拡充、罰則の強化がなされた。さらに、悪質事業者の参入を防止するとともに、事業者の経営基盤強化を図るため、主要9港における事業の許可基準としての労働者保有基準を従来の基準の1.5倍に引き上げたところである。
平成12年11月の改正港湾運送事業法の施行後、平成16年2月までに15件の新規許可があったが、いずれの場合においても、強化された欠格事由、施設及び労働者保有基準等に従った厳格な審査を得た上での許可となっており、悪質事業者の参入は行われていない。
日雇労働者の推移を日雇労働者依存率でみてみると、規制緩和後もおおむね横ばいで推移しており、過去の水準と比較しても、港湾運送事業における日雇労働者依存率は減少傾向にあると考えられる。
また、平成12年12月に実施した全国の一般港湾運送事業者に対する主要9港の規制緩和についての影響調査の結果においても、「規制緩和の具体的な影響」として、「労務手配師の増加」と答えた事業者は存在せず、「日雇労働者の増加」と答えた事業者もわずか2者(1%)であった(複数回答可。回答数263。)。さらに、同調査において、「セーフティネットは具体的に何が効果があったか」という質問(複数回答可)に対し、「労働者保有基準の引き上げ」との回答は143件(58%)、「欠格事由・罰則の強化」との回答は16件(6%)であった。
これらのことから、規制緩和によって心配された「悪質事業者の参入」、「日雇労働者の増加」については、「欠格事由・罰則の強化」、「労働者保有基準の引き上げ」等のセーフティネットが有効に機能したものと考えられる。
 ② 労働環境の悪化
①でも述べたとおり、規制緩和によって労働関係の不安定化が懸念された。これは、港湾運送事業は全体のコストに占める労働コストの割合が他の産業と比べて比較的高いため、価格競争の結果が労働コストにしわ寄せされやすく、そのため労働者の減員等により労働環境が悪化すると考えられたためである。
労働災害件数及び死亡事故の推移を、主要9港において平成11年11月1日から平成12年10月31日までの規制緩和前の1年間、平成12年11月1日から平成13年10月31日までの規制緩和直後の1年間、平成13年11月1日から平成14年10月31日までの規制緩和2年目で比較してみると、規制緩和直後の1年目に若干増加したものの、2年目には規制緩和以前よりも低下している。一方、地方港についてみると、規制緩和2年目の死亡事故が増加しており、規制緩和と労働災害の増減の因果関係は少ないと考えられる。
次に、入職率と離職率の推移を、全産業と6大港の港湾運送事業で比較してみると、全産業では離職率と入職率の差は、平成11年度から平成14年度にかけて、離職率が入職率を上回り、かつ、その差が拡大傾向をみせているのに対し、港湾運送事業は、平成11年度は3.1、平成12年度は1.6、平成13年度は0.6とその差が縮小し、平成14年度には入職率が離職率を0.6上回っている。
また、港湾の安定化という観点から港湾労働争議による影響船舶数を比較すると、平成12年度以降影響船舶はなく、港運労使の緊密な協議の中でかなりの問題が解決され、争議に至っていないものと考えられる。
規制緩和によって心配された労働関係の不安定化、労働環境の悪化については、港運労使の努力によって、その影響は最小限度に抑えられたものと考えることができる。
 ③ 過度のダンピングによる混乱の発生
免許制から許可制への規制緩和によって参入が容易となることに加え、価格規制についても認可制から事前届出制へと規制緩和されることによって、事業者間の競争、特に価格競争が激化し、事業の効率化が図られ荷役料金が弾力化されると考えられた。しかし、価格競争が行き過ぎると、全体のコストに占める労働コストが高い港湾運送事業においては、①、②で述べたような悪質事業者の参入、日雇労働者の増加、労働環境の悪化といった問題を引き起こす懸念があった。また、中小規模事業者の多い港湾運送事業者と船社、荷主との間の力関係の差が過度のダンピング(届出された運賃・料金が標準的な運賃・料金に比べて著しく原価割れした状態をいう。)を起こす可能性も懸念された。
こういった懸念に対し運政審答申では、規制緩和による港湾運送事業者間の競争激化や中小企業が多い港湾運送事業者と大企業が多い船社、荷主との力関係の差を原因とする過度のダンピングが広く行われることにより、港湾運送の安定が害されないよう、料金変更命令制度及び緊急監査制度を導入すべきとされたところである。
国土交通省が実施した監査のうち、主要9港に係るコンテナ荷役、機械荷役、在来荷役の合計は、平成12年度20件、平成13年度40件、平成14年度28件であるが、そのうち届出された料金に対して、実際に収受された料金が10%を超えて下回っていた件数は平成12年度4件、平成13年度20件、平成14年度8件となっており、これらに対しては文書警告が行われた。
しかし、事業者アンケートや労働組合による調査では、規制緩和後、ダンピングが行われ、監査が十分に機能していないとの意見が出ており、ダンピング防止のための新たな方策を検討すべきとの指摘がなされている。

4.地方港の位置付け、役割及びその実態と主要9港との比較

 行革審において、「六大港と地方港では荷役の形態、荷役量、事業者等に差があるので、規制緩和の内容や実施時期に差を設けることも検討すべき」との最終意見を踏まえ、運政審答申においても「混乱が生じることのないよう段階的に規制緩和を進める必要があり、主要9港について規制緩和を先行して実施する」とされ、平成12年11月より主要9港において規制緩和が先行して実施されたところである。
 そこで、地方港の規制緩和にあたっては、前述の規制緩和の評価に加え、地方港と主要9港を比較し、地方港の役割及び実態を踏まえた議論をする必要がある。
(1)主要9港と地方港の適切な役割分担
 ① 主要9港の現状と今後の展開
主要9港は、我が国の国際海上輸送の拠点港湾として、我が国の外貿コンテナ取扱量の約9割以上を取り扱っている。しかし、近年、アジアの主要港がコンテナ取扱量を大きく伸ばすなか、我が国港湾の相対的地位の低下は顕著となっており、基幹航路の寄港便数も減少傾向にある。
こういった事態の進展は、世界のコンテナ幹線航路網における、我が国の主要港湾のフィーダーポート化を招くおそれがあり、その結果、積み替えコスト、フィーダー輸送コスト等による物流コストの上昇、リードタイムの増加による余剰在庫の増加等を招くこととなり、ひいては製品価格の上昇を通じ、我が国経済に大きな影響を与えることとなる。
船舶の大型化、船社のアライアンスの進展等を考えると、世界のコンテナ幹線航路網を巡るアジアの港湾間の競争は、今後ますます激化が予想され、我が国の主要港湾のフィーダーポート化を阻止し、我が国全体の産業競争力を強化するためにも、コンテナ輸送が中心である主要9港におけるハブ機能の一層の強化を目的とした港湾整備、世界水準の港湾サービス提供、コスト競争力の確保が求められている。現在、国土交通省としては、アジア諸国の主要港湾を凌ぐ港湾コストとリードタイムの実現を目標としたスーパー中枢港湾の育成を推進しているところである。
 ② 地方港の現状と今後の展開
コンテナ貨物が中心の主要9港と比較して、地方港は、コンテナ貨物の割合が少ない上、取扱貨物の品目も港によって千差万別である。しかし、近年の在来貨物のコンテナ化の進展等により、現在10%程度を占めるコンテナ比率は、今後増加が予想される。
また、地方港は、主要港に次ぐ大量・多品種な取扱貨物を有する港湾から、少量・少品目まで、多種多様な特徴を有しているが、共通した特徴としては、背後に立地する製造業と密接な関係を有し、周辺立地企業の原材料の輸入や製品の輸出、生活物資等の輸送拠点としての役割を果たしていることである。
我が国のGDPの22%を占め、雇用におけるシェアも21%である製造業の国内立地は、地域経済及び雇用にとって重要な存在である。しかし、近年、その製造業の海外移転が進んでおり、その進展は国内経済、とりわけ地域経済の縮小均衡や我が国の製造業の崩壊、技術力の低下等を招くこととなる。製造業の国内立地の維持のためには、海外移転の大きな理由の一つである高コスト構造の改善、利便性が高く低コストな産業インフラの整備が必要不可欠である。また、製品輸入の増大やモーダルシフトの増加の必要性から生活物資の輸送の拠点としての役割の充実、強化も求められている。
こうした現状を踏まえ、在来貨物のコンテナ化、複合一貫輸送に対応したコンテナバースや内航バースの整備、港湾物流の効率化やユーザーのニーズに対応した港湾サービスの高度化等を通じて、地域の産業競争力の強化と地方の生活基盤の向上に貢献していくことが重要である。また、港湾の安定が当該港湾の発展を通じてひいては地域の発展を図る上で重要であることから、港湾に関連する全ての関係者が協議、連携しながら港湾の発展に向けて取り組んでいく必要がある。
(2)港湾運送事業における地方港と主要9港の比較
港湾運送事業について、地方港と主要9港を比較すると、以下のような相違点が存在する。
 ① 地方港と主要9港における相違点
  ?)取扱貨物(コンテナ貨物と在来貨物)
主要9港は、その60%近くがコンテナ貨物であるのに対し、地方港は、在来貨物の割合が高い。しかし、コンテナ貨物の割合が高い地方港も存在するとともに、全体的には地方港においてもコンテナ貨物の割合は増加傾向にある。
  ?)荷役構造
全荷役に占めるコンテナ荷役、機械荷役等の革新荷役の割合は、東京港88%、横浜港70%と主要9港で高いのに対し、地方港では、平均25%と低く、在来荷役の割合が高い。
  ?)港湾運送事業者と荷主との関係
地方港は主要9港と比較して特定の荷主、船社への依存率が高く、取引を行っている荷主、船社の事業者数も少ない。そのため、地方港における港湾運送事業者は、主要9港のように関連下請を抱えるほどの運送量がないため、その作業形態は直営かあるいは一部下請事業者を利用する形となっている。
  ?)港湾運送事業者の事業規模
資本金で港湾運送事業者の規模を比較してみると、資本金1千万以下の事業者が主要9港では全体の17%であるのに対し、地方港は27%、資本金5千万以下では、主要9港で57%であるのに対し、地方港では73%である。一方、資本3億円以上の事業者の割合は、主要9港で16%であるのに対し、地方港では4%である。地方港の港湾運送事業者は、主要9港の港湾運送事業者と比較して、事業規模が小さい事業者が多い。
  ?)港湾運送事業者数
平成15年3月末現在、1港あたりの事業者数は、主要9港平均で80社であるのに対し、地方港は7社となっている。さらには、4社未満しか事業者の存在しない地方港もかなり存在する。
 ② 地方港と主要9港の共通点
地方港と主要9港の港湾運送事業者には、①で述べたような相違点がある一方で、港湾の安定化が必要であること、悪質事業者を排除しなければならないこと、事業者の体力強化が必要であること等の共通点も存在する。

5.地方港の規制緩和の実施

① 運政審答申においては、日本の港湾を効率よく、使いやすいものにしていくためには規制緩和を実施すべきであるが、港湾運送事業については、過去に混乱の歴史を経験したという事実に鑑み、段階的に規制緩和を進めることとしたものである。その後、平成12年11月から実施された主要9港の規制緩和は、大きな混乱もなく推移しており、かつ、平成14年3月及び平成15年3月の閣議決定において、「主要9港以外の地方港については、需給調整規制を廃止し免許制を許可制にするとともに運賃・料金の認可制を事前届出制とする規制緩和について、平成15年度中に所定の結論を得て、以降速やかに措置を講ずる。」とされたところである。
② 行革審最終意見に述べているように、規制緩和は本質的には国民の自由な選択を基礎とした新たな合理的システムの構築であり、それによって公正で自由な競争が行われる市場を実現するものである。物流の世界においては、航空、鉄道、トラック、内航、倉庫と既に規制緩和され、今や免許制となっているのは、地方港の港湾運送事業のみとなった。
③ また、4.で述べたように地域の活性化・産業競争力を強化する上で港湾の活性化を図ることが極めて重要であり、そのためには地方港においても主要9港同様、事業免許制を許可制に(需給調整規制の廃止)、運賃・料金の認可制を事前届出制にすることを内容とする規制緩和を実施すべきである。

6.地方港の規制緩和に伴い講ずべき措置

(1)主要9港の規制緩和に伴い講じた措置
行革委の最終意見において、「港湾運送事業においては、港湾運送の効率化(コスト削減、サービス向上)を求めれば、港湾運送の安定化(労働関係の安定化等)が損なわれるという懸念がある」と指摘された。規制緩和が行われ、港湾運送事業者間の競争が促進される結果、事業の効率化が図られ、サービスも向上し、船社、荷主等の港湾ユーザーにとって大きなメリットが生じる。一方、港湾運送事業者間の競争が激化する等の結果、労働関係が不安定化し、雇用不安、労働争議が生じる可能性や、再び悪質事業者が参入してくる懸念が生じる。
これらの懸念に対応するため、主要9港の規制緩和に当たっては、①悪質事業者の参入防止策として欠格事由の拡充及び罰則の強化、労働者保有基準の引き上げ、一貫責任制度の維持、②過度のダンピングによる港湾運送の混乱を防止するための料金変更命令制度、緊急監査制度の創設、③港湾運送の安定化のための拠出金の確保等の港湾運送の安定化策を講じたところである。(注1)
(2)地方港の規制緩和に当たって講ずべき措置に関する基本的考え方
① 地方港の規制緩和を実施するに当たっては、主要9港の規制緩和の評価や、地方港の役割や実態、主要9港との比較を踏まえ、効率化のみを求めるのではなく、労働関係等港湾運送の安定化に一定の配慮を払いながら規制緩和を進めていくことが重要である。
具体的には、4.(2)②で述べたように、港湾の安定や悪質事業者排除等、地方港と主要9港の共通する課題に対処するため、欠格事由の拡充及び罰則の強化、労働者保有基準の引上げ、料金変更命令制度及び緊急監査制度の導入、一貫責任体制の維持等、主要9港における規制緩和時と同様の措置を講ずることが必要である。
② 一方、地方港は、4.(2)①で述べたように、
  ?)コンテナの割合が小さく、在来貨物の割合が比較的高い
  ?)荷主と事業者の関係が強固で、かつ、単独荷主に依存する割合が高 い
  ?)1港あたりの事業者数が少なく、規模の小さい事業者が多い
  ?)地方港と地域経済が密接な関係にあり、港湾運送事業の経営が、将来の港湾の整備状況に左右される
等の特徴があり、これらに配慮した更なる港湾運送事業の安定化のための措置(セーフティネット)を講ずる必要がある。
   特に、規制緩和の実施により、港湾の混乱・秩序の乱れが生じるおそ  れがあると判断される場合には、後述のセーフティネットを機動的に発動することにより、万全の対応を関係者が連携して取っていくことが必  要である。
③ また、地方港について免許制を許可制に規制緩和することに伴い、検数・鑑定・検量事業についても、免許制から許可制への規制緩和をすべきであるが、我が国の海上貿易を円滑に実施するために不可欠なこれら事業が、今後とも健全な発展を確立できるよう、許可基準のあり方、検数人・鑑定人・検量人の登録制度のあり方等について検討を進める必要がある。
④ さらに、免許制のもとで当該港における事業者の育成と秩序の安定化を図るという観点から決定してきた、港湾運送事業法の適用対象港の考え方についても、許可制への変更を踏まえ所要の見直しを実施すべきである。
(3)港湾運送事業の安定化策
 ① 悪質な事業者の参入の防止策
  ?)欠格事由の拡充、罰則の強化及び一貫責任制度の維持
主要9港の規制緩和の際、悪質な事業者の参入等を防止するため、新たに、欠格事由の拡充、罰則の強化を行うとともに、一貫責任制度(注2)を従来どおり維持したところである。
悪質な事業者の参入の防止策として、欠格事由の拡充、罰則の強化及び一貫責任制度の維持は、主要9港同様、地方港においても遵守すべき課題であり、主要9港と同様規制緩和に当たっても同様の措置を講ずべきである。
  ?)労働者保有基準の引き上げと事業協同組合の特例
?)の他、主要9港の規制緩和においては、悪質な事業者の参入を防止するとともに、事業者の経営基盤強化にも資することから、各港湾運送事業者が一定の人数以上の労働者を常傭することを確保するため、主要9港における労働者保有基準を1.5倍引き上げたところである。
また、この労働者保有基準の引き上げを円滑に実施できるよう、港湾運送事業者が、一定の要件を満たす事業協同組合に加盟している場合には、当該事業協同組合の他の組合員(港湾運送事業者)の常傭労働者を自己の労働者とみなしたうえ、1.5倍引き上げた労働者保有基準に係る基準の適否の確認を行うことができることとした。
地方港の規制緩和を行うにあたっても、主要9港同様、悪質事業者の参入を防止するとともに、事業者の経営基盤強化にも資することから、労働者保有基準を、1.5倍程度に引き上げるべきである。しかし、1港あたりの事業者数が少なく、規模の小さい事業者が多いといった地方港の特徴を考慮し、以下の措置を講じるべきである。
イ) 主要9港同様、労働者保有基準を原則1.5倍引き上げる場合、1港に4社以上の港湾運送事業者が存在しない等の地方港については、道府県単位等、港を超えた事業協同組合の設立を認め、現在の主要9港における事業協同組合同様、当該事業協同組合の他の組合員(港湾運送事業者)の常傭労働者を自己の労働者とみなしたうえ、1.5倍引き上げた労働者保有基準に係る基準の適否の確認を行うことができるようにすべきである。
ロ) イ)に述べる事業協同組合の特例措置を適用しても、1.5倍を満たすことが困難な港については、当該港湾において事業を営む港湾運送事業者にとって1.5倍引き上げが過度の負担とならないよう別途検討すべきである。具体的には、今後これらの港の状況、労働者保有基準の充足状況を十分調査するとともに、港湾運送事業者の意見も聴きながら個別具体的な対応を検討する必要がある。
 
さらに、主要9港の規制緩和時と同様、既存事業者に対する激変緩和措置として、1.5倍の新基準を適用しない猶予期間を、地方港の規制緩和を行うにあたってもおくべきであるが、地方港の特徴を考慮し、主要9港の場合の猶予期間(1年7ヶ月)以上の期間を設けるべきである。
 ② 過度のダンピングによる港湾運送の混乱の防止策
  ?)緊急監査制度及び料金変更命令制度
主要9港の規制緩和の際、港湾運送事業者間の競争激化や中小企業が多い港湾運送事業者と大企業が多い船社、荷主との力関係の差を原因とする過度のダンピングによる港湾運送の混乱防止策として料金変更命令制度及び緊急監査制度を導入したところである。
過度のダンピング問題は、主要9港同様、地方港においても問題となっているところであり、緊急監査制度及び料金変更命令制度については、地方港においても措置すべきである。
また、海陸一貫輸送に対応した同時総合的な監査については、法体系がそれぞれ異なることや監査のための組織、要員などの問題もあるが、今後、総合的かつ効果的な監査の実施のあり方について、関係者と検討を進めていくべきである。
  ?)独占禁止法の運用強化
イ) 過度のダンピング問題の原因の一つとして、中小企業の多い港湾運送事業者と船社、荷主との間の力関係の差が指摘されている。とりわけ地方港においては、荷主と事業者の関係が強固で、かつ、単独荷主に依存する割合が高いといった点や1港あたりの事業者数が少なく、規模の小さい事業者が多いといった点から料金ダンピングを受けやすいといった状況にある。
  地方港において、運賃・料金の認可制から事前届出制への規制緩和を行うにあたり、?)で述べた主要9港で講じた措置に加え、港湾運送事業者が船社、荷主と対等の関係が築くことができるよう、独占禁止法の運用強化等を図っていく必要がある。
ロ) 平成15年6月に成立した下請代金支払遅延防止法の一部を改正する法律(以下「改正下請法」という。)において、港湾運送事業を含め運送業が新たに対象となったところである。しかし、その国会審議においては、トラック、内航、港湾運送等の貨物運送事業分野においては、元請事業者と下請事業者間で代金の支払で問題が生じているというよりも、力関係の強い荷主と元請事業者間で適正な取引が行われていないことが問題であり、元請事業者と下請事業者間は、そのしわ寄せを受けているにすぎないとの主張が多くなされたところである。下請法の対象とならない荷主と元請事業者の関係について、改正下請法の附帯決議(平成15年6月11日衆議院経済産業委員会)においても「本法の対象とならない取引における優越的地位の濫用行為に対しては、独占禁止法に基づき厳正に対処すること」、「貨物運送事業分野については、真荷主と元請事業者との間の取引においても荷主が優越的地位に立つ傾向が高いことを踏まえ、荷主の優越的地位の濫用行為の防止を図る観点から、独占禁止法に基づく特定の不公正な取引方法の指定など所要の措置を講ずること」と指摘された。これを受け、公正取引委員会は、国土交通省及び関係者等に各種の調査、ヒアリング等を行い、平成16年4月の改正下請法の施行にあわせ、真荷主と元請事業者との間の取引について、独占禁止法に基づく特殊指定を行うべく、現在、検討を進めているところである。
   さらに、改正下請法は、港湾運送事業者間の元請と下請の取引関係に適用されるだけではなく、船社と港湾運送事業者との間の取引についても適用されることとなり、荷主と港湾運送事業者の間の取引は、独占禁止法に基づく特殊指定、船社と港湾運送事業者の間の取引は、改正下請法の規定がそれぞれ適用されることとなる。
   国土交通省としても、関係省庁とも連携しつつ、公正取引委員会に積極的に協力するとともに、関係者に対する独占禁止法、改正下請法の周知徹底等を通じて、その適正な発動が図られるよう努力していくべきである。
ハ) なお、過度のダンピングの防止の問題については、先行して規制緩和を実施した主要9港においても共通の課題であり、独占禁止法の運用強化については、主要9港にも適用すべきである。
 ③ 港湾安定化協議会(仮称)の設置
  ?)基本的考え方
地方港は、地域経済の発展と密接な関係にあり、当該港湾の安定が港湾を含めた地域の経済発展に影響する一方、港の整備計画等、港湾の動向が港湾運送事業者、港湾労働者の状況に与える影響も大きい。
また、港湾の機能をフルに発揮するためには、港湾の整備はもとより港湾を利用する港湾運送事業者及びその労働者、港湾管理者及び港湾の運営に関する行政機関が随時集まり、自由に意見交換していくことが効果的である。
このため、規制緩和に伴う港湾運送の秩序維持、労働関係の安定化、当該港湾の整備のあり方や方向等について、港運協会、労働組合、地方運輸局等の行政、港湾管理者等の港湾運送の関係者による意見交換の場として、「港湾安定化協議会(仮称)」を設立すべきである。
なお、当該協議会はあくまでも港湾の発展、安定のための関係者の意見交換の場であることから、賃金交渉などの労使協議に関する事項や行政権の行使に関する問題を取り扱うことは適当ではないと考えられる。
  ?)メンバー構成等
協議会の構成、活動内容は、今後さらにつめる必要があるが、基本的には地区港運協会単位をベースに地区港運協会、労働組合、行政(地方運輸局等)、港湾管理者等で構成するのが適当である。また、協議会全般のあり方、枠組みを検討するために中央レベルで日本港運協会、労働組合の代表、行政(国土交通省等)、港湾管理者の代表等による協議会も必要に応じ開催すべきである。また、個々の港湾に関し、議論が必要な場合には協議会の下に分科会等を設けて議論することも必要と考える。
(4)拠出金の確保
 ① 拠出金の経緯
拠出金は港湾労働年金や港湾労働者の現場施設、宿舎等の維持、整備など港湾労働者の福利厚生の充実のため使われており、労働関係の安定化に重要な役割を果たしている。
本来、従業員の福利厚生事業は、個々の事業者の責務であるが、港湾運送事業者は中小零細事業者が多く、個々の事業者に任せていては、その整備、充実が進まないとともに、港湾という限られた空間の中で、個々の事業者が個別に福利厚生施設などを整備することは非効率であるため、港湾運送事業者がそれぞれ拠出金を拠出し、共同して福利厚生事業を行うことが制度化された。
このような拠出金制度の重要性に鑑み、国は、認可料金制度のもと、拠出金を適正なコストとして認めるとともに、認可料金の内訳として拠出金部分を明示(透明化)してきたところである。船社、荷主も、その内訳として拠出金部分を含むことを明示した荷役料金(認可料金)を支払うという形で拠出金の制度に理解と協力を行ってきたところである。
 ② 主要9港の規制緩和による分割納入方式の導入
前回、運輸政策審議会で、主要9港の規制緩和の議論を行った際、料金制度が認可制から事前届出制となり、認可料金で事実上裏打ちしている拠出金が根拠を失うことにより、現在の各拠出金の額が、船社、荷主から荷役料金の中の費用の一部として認められなくなるおそれがあることや、港湾運送事業者は、中小事業者が多く、規制緩和による競争の激化により経営が悪化し、従来どおりの拠出金の額を負担できなくなるおそれがあるといった理由から、従来通り拠出金が確保されなくなることが懸念された。
そのため、運政審答申では、船社、荷主の理解と協力のもと、規制緩和を実施した主要9港においては、拠出金額に相当する荷役料金の一部の金額については港湾近代化促進協議会(近促協)に、荷役料金のうち残りの金額については港湾運送事業者に分割して支払う「分割支払方式」の導入が提言された。
具体的には、以下のとおりである。
?)各拠出金の拠出は、従来どおり、基本的には港湾運送事業者の責務であり、荷役料金等の収入のうちから自ら拠出するものであることを前提に、船社、荷主に対し以下のとおり、荷役料金の分割支払を要請。
?)港湾運送事業者は、運輸大臣の認可を受けた港湾運送約款に基づき、船社、荷主との間で契約した荷役料金の支払に関して、拠出金額に相当する荷役料金の一部の金額については近促協に、荷役料金のうち残りの金額については当該港湾運送事業者に分けて支払うことを船社、荷主に対して請求(従来どおり、請求書に荷役料金の内訳として拠出金額に相当する金額とそれ以外の金額とを分けて明示)。
?)港湾運送事業者は、拠出金額に相当する荷役料金の一部の受取及び(社)日本港湾福利厚生協会等に対する拠出金の納付を近促協に委任。
 ③ 地方港の規制緩和後の拠出金制度の維持及び支払方法
?)主要9港において分割支払方式を導入した結果、荷主、船社や港湾運送事業者双方にとって、事務量の増大、事務の煩雑化といった問題が生ずるとともに、近促協においても徴収のためのシステム開発等の初期コストや、船社、荷主に対する督促、確認等の収納経費の増大による実質的な拠出金の減少といった問題が生じた。これらの問題のうち、事務量の増大や事務の煩雑化については、報告書の様式の改善や振込システムの変更を図ることにより、荷主、船社等のユーザーや元請港湾運送事業者の負担の軽減を図り、その理解を得て円滑に実施されているところである。
?)地方港の規制緩和を行う場合、①に述べたように拠出金がこれまでの港湾の安定化に寄与してきたことを考えると、拠出金制度の維持は極めて重要な課題である。その上で、拠出金の支払方法について、前回、運政審答申で想定した認可料金の裏打ちがなくなることにより、拠出金が荷役料金の中の費用として認められなくなるおそれや、競争激化により港湾運送事業者が拠出金を負担できなくなるおそれを考えると、主要9港同様、地方港についても分割支払方式を導入するのが素直な考え方である。
?)一方、地方港において拠出金の分割支払制度を導入する場合、主要9港に比べ地方港では、港湾運送事業者及び船社、荷主といったユーザーの規模が小さいことから分割支払を実施するための負担は、主要9港以上に大きく、個々の港湾運送事業者、ユーザーの理解と協力を得ることは非常に困難であると考えられる。さらに、地方港は主要9港に比べて1件あたりの荷役料金が少ないため、地方港全体の拠出金の総額は、全国の港の拠出金総額の約30%程度であるが、地方港には主要9港とほぼ同数の港湾運送事業者が存在しており、地方港に分割支払方式を導入した場合、主要9港における拠出金の年間徴収経費とほぼ同額の経費が必要となることから、地方港の拠出金を徴収するコストが主要9港の2倍以上必要なこととなり、費用対効果の点で問題が大きい。
?)また、分割支払方式を導入している主要9港においても、小口貨物や拠出金が1,000円以下の場合については、費用対効果の観点から、分割支払方式ではなく、従来通り一括支払方式をとっているが、拠出金は着実に納入はされているところである。また、規制緩和により料金は認可制から事前届出制になったが、届出された料金の中では拠出金とそれ以外の荷役料金は、明確に区分されているところである。
?)これらを踏まえると、地方港における拠出金の支払方式に関しては、費用対効果やユーザー、港湾運送事業者の事務負担の観点からは、分割支払方式より従前どおりの一括支払方式が適当と考えらる。また、前回の拠出金の納入に関する懸念についても、船社、荷主、港湾運送事業者等関係者の理解と協力が得られるならばその懸念は相当程度解消すると考えられ、総合的に勘案すると一括支払方式とすべきである。
 ④ 地方港規制緩和後の主要9港における拠出金の支払方式
なお、運政審答申において、「荷役料金の分割支払への変更が行われる場合には、船社、荷主の負担ができるだけ少なくなるようにすべきであるとともに、運輸省も含めて3年後に荷役料金の分割支払方式について見直しを行うべきである。」とされたところである。
分割支払方式については、実施に当たって、上述のとおりユーザー、港湾運送事業者から様々な問題点が指摘されたところであるが、関係者間で問題点の検討、調整の上、改善が図られるとともに、ユーザーによっては分割支払方式に対応するために社内システムを変更したところもある。
その結果、主要9港においては、分割支払方式がすでに定着し、港湾運送事業者及び船社、荷主といったユーザーからもその後は特段の不満や問題も生じていないこと、支払方式を再度変更した場合、分割支払方式に対応するために社内システムを変更した港湾運送事業者やユーザーにとって元に戻すために更なる負担を強いられる可能性があることを勘案すると、主要9港については当面、引き続き分割支払方式を継続することが適当である。
なお、今後とも分割支払方式の実施に関連して関係者からの要望等があれば、関係者と協議し、国土交通省、近促協において適切に対処していくべきである。
(5)検数・鑑定・検量事業
 ① 検数・鑑定・検量事業の現状及び将来の展望
検数、鑑定、検量事業(以下「検数事業等」という。)は、歴史的にも海上貿易を円滑に行うために不可欠な業務として、世界的に認知されている重要な業務である。一方、検数事業等は、コンテナ化が導入される昭和40年までは、在来船における労働集約型の作業であったが、それ以降のコンテナ化、専用船化に伴って機械化され、チェックをする場面や作業内容が大きく変化した。それにより、様々な合理化やコスト構造の変化が生じて現在に至り、物流における輸送形態の変化などにより、事業量的には年々減少している。
今後もこの傾向は続くと考えられるが、一方、輸送の安全管理、セキュリティの確保、社会悪品の不正輸送の防止などの新たなニーズに対応し、情報プラットフォームやICタグ等のIT化の進展に対応した物流情報ネットワークの構成員としての役割を担うなど業務内容が広範化、複雑化することが考えられる。
以上のことから、将来的にも依然として目視によるチェックや証明を行うという役割は残ると考えられ、新たなニーズに柔軟に対応し、検数事業等の健全な発展を確保できるようにし、かつ、これらの公益的な役割を維持するためには、今後ともこれら事業に対する行政上の関与が必要であると考えられる。
 ② 需給調整規制の取扱い
検数事業等は、昭和24年の海上運送法成立に伴い、海上運送事業の一種として運輸大臣の登録制でスタートしたが、昭和34年の港湾運送事業法改正で、港湾運送事業法に取り込まれ、同法第2条第1項第1号から第5号の事業(以下、「港湾荷役事業等」という。)と同様港湾運送事業の一種として、事業については免許制、料金については認可制とされたところである。
一方、免許制ではあるものの、港湾荷役事業等と異なり、免許の単位が港湾単位でなく全国単位であること、施設、労働者の保有基準が設定されていないこと等から、免許に当たって需給をどこまで厳密に判断していたのかという点があり、実態的にはより許可制に近いものがある。また、主要9港の規制緩和の際は、検数事業等は地方港における事業も含んでいるため規制緩和の対象とならなかったが、今回地方港も含めて港湾荷役事業等が免許制から許可制に変わった場合、検数事業等だけを免許制にしておく特段の理由に乏しいと考えられる。
以上のことから、検数事業等についても、地方港の規制緩和にあわせ、免許制から許可制へと規制緩和を行うべきである。
また、他の港湾運送事業の規制緩和と同様に、免許制から許可制への規制緩和に伴い、料金認可制についても、事前届出制へ規制緩和するべきである。
 ③ 検数人・鑑定人・検量人の登録制度の廃止
昭和24年の海上運送法制定以降現在まで、国による、検数人、鑑定人及び検量人(以下「検数人等」という。)の登録制が実施されているが、登録の要件として年齢、過去の法違反の有無等を挙げているだけで能力を要件としていない。
実際、検数人等に対する教育や技術レベルの維持は、雇用主に依存している。また、海上運送法制定時と異なり、検数等の行為が個人レベルではなく組織レベルで行われるようになってくると、利用者としては個々の検数人等をみて仕事を依頼するというより、検数事業等を行う事業者を判断して仕事を依頼するケースが多いと考えられ、検数人等の登録制度を廃止するとともに、検数等及び検数人等の質の確保は事業者に対する事業計画の審査等を通じて担保する体制を整備することが適当である。
 ④ 検数事業等の規制緩和に伴い講ずべき措置
免許制から許可制へ規制緩和を実施した場合、検数事業等への参入が容易になるが、②で述べたとおり、現在でも免許単位が全国単位であることから、現行とそれほど変化がないと思われる。
しかし、参入が容易になることに伴い、現在、検数等事業者が第三者的立場で証明行為を行っていることにより得ている、我が国の検数等事業者による証明の国際的な信用を失墜させるような質の低い事業者の参入や特定の者の特定のニーズにのみ対応した事業者の参入を防止し、安易な「開業・廃業」を防止する必要がある。
そのため、検数事業等の許可に当たっては、以下の点を考慮すべきである。
?)規模要件
これまでどおり全国単位の許可を基本とすべきである。地域限定を行う場合においても、複数の港を有する地域ごととすべきである。この場合、比較的規模の大きい港湾における作業を行うためにも一定の数の検数人等を有することととすべきである。
  ?)経営的基盤
資本金、事業用資機材、資金計画など事業者の財務的事項に関する許可基準を設けるべきである。例えば、事業の固定費部分を特定の者(ユーザー)が負担している場合などは不適当とすべきである。
  ?)その他
検数等の技術的裏付けや事業者の責任を明確にするため雇用する検数人等に対する教育訓練や資格、講習等の計画及び雇用する検数人等の名簿を事業計画記載事項とすべきである。
(6)港湾運送事業法適用対象港
 ① これまでの法適用対象港の考え方
現在の港湾運送事業法は、免許制という形態等の下で当該港における港湾運送事業者の育成と秩序の安定化を図るという観点から、対象港を決定してきたところであるが、一方、新規参入の制限等、営業の自由を制限する要素もあることから、法適用対象港の拡大については、慎重を期してきたところである。
 ② 規制緩和に伴う法適用対象港の考え方
地方港においても事業参入を免許制から許可制へ規制緩和を行うことにより、その規制の考え方も特定の港において新規参入を制限しながら港湾運送事業者の育成と港湾秩序の安定を図るというものから、我が国の重要な港湾において港湾運送事業という公共的な業務を行う者が当然守るべき義務を課すということに変わることとなる。法適用対象港の考え方についても、こうした規制の考え方の変化を踏まえ、これまでの港湾ごとの取扱量の推移等を踏まえ、周辺の指定港との競争という観点も加味しながら見直すべきである。
適用対象港の見直しを検討する場合には、例えば、港湾法上の「重要港湾」を、そのまま港湾運送事業法の適用対象港(指定港)とする考え方もあるが、現在の指定港の判断基準同様、単に取扱貨物量の多寡だけではなく、周辺の指定港において現に港湾運送事業を営んでいる者に対する影響、港湾整備計画等を総合的に勘案して、指定港とすることが適当かどうか判断すべきであり、現行どおり、政令等で個別に指定する方法が適当である。
一方、現在、指定港となっている港についても、その貨物取扱量が減少し、現行及び新たな基準に合致しない場合や、事業者数が極端に減少した場合等、指定港として存続することが適当でないと認められる港湾については、今後、指定の解除も含め検討していくべきである。 
(7)引受義務の廃止等規定の整備
地方港も含め事業参入を免許制から許可制に変更することに伴い、港湾運送事業法の諸規定について所要の見直しが必要となってくる。
① 港湾運送事業法は、他の運送関連の事業法と同様、特定の利用者に対して不当な差別的取扱を禁止している(第15条)ほか、特段の理由を除いて港湾運送を拒絶してはならない、いわゆる「引受義務」を港湾運送事業者に課している(第15条の2)。
  この引受義務は、従来需給調整規制に基づき免許制の下で排他的営業権を得ていた事業者に対し、排他的営業権に付随する業務として従来課していたものであり、今回、地方港の規制緩和を行うにあたって、引受義務を廃止することが適当である。
② 一方、引受義務を廃止することに伴い、離島航路等における生活物資の安定的な輸送や経済活動を支える円滑な物流などに問題が生じないよう公共性の確保に十分配慮することが必要である。このため公益命令(第18条の2)の活用や事業改善命令(第21条)の要件等について所要の検討を行う必要がある。

7.規制緩和のスケジュール

   平成15年3月28日に閣議決定された「規制改革推進三か年計画(再改定)」おいて、地方港の規制緩和について「平成15年度中に所定の結論を得て、以降速やかに措置を講ずる」とされ、さらに、平成15年9月19日に閣議報告された「規制改革集中受付月間において提出された全国規模の規制改革要望への対応方針について」において「平成16年度中に港湾運送事業法の改正案を国会提出」とされ、12月22日に総合規制改革会議の「規制改革の推進に関する第3次答申」に盛り込まれたところである。
 これに従い、平成15年度中に本懇談会の最終報告を取りまとめ、地方港の規制緩和を主な内容とする改正法案の作成作業を行い、平成16年度中に改正法案を国会に提出すべきである。
 改正法案の施行時期については、主要9港の規制緩和時は、法案の閣議決定(平成12年2月22日)から施行(平成12年11月1日)まで7ヶ月10日間の期間を設けたが、これまで述べたように、地方港の特殊性等を踏まえ、規制緩和に向けた準備期間として、充分な時間的余裕を確保すべきである。

8.最後に

   本懇談会は、昨年5月より8回にわたり開催し、関係者からのヒアリングを含め議論を重ねた結果、以上述べたとおりの結論を得た。本報告は、地方港の規制緩和のあり方について基本的な方向を示したものであるが、細部については今後さらに検討が必要である。国土交通省においては、今後さらに関係者の意見を聴取しながら内容を詰めた上で港湾運送事業法の改正作業に取り組むべきである。
 近年の我が国の港湾を取り巻く状況は、アジア主要港の港勢拡大による相対的な地位の低下等、非常に厳しい状況にある。こういった状況に対応し、港湾の安定化に配慮しながら、我が国の港湾の競争力の強化、サービスの向上等を図るため、平成12年11月より主要9港において先行して規制緩和が実施されたところである。さらに、平成13年11月には、港運労使の画期的な合意によって荷役作業の364日24時間フルオープン化が実現するとともに、港湾運送事業者のターミナルオペレーターへの進出など運政審答申に盛られた内容が逐次具体化されつつある。
 こうした中、地方港についても、港湾の活性化を通じて、地域の活性化や産業競争力の強化を図るため、港湾運送事業の規制緩和が重要であると考える。同時に、港湾運送事業が過去に混乱の歴史を経験した事実を鑑み、規制緩和による競争原理の導入によって、港湾の混乱を招くことがないよう、地方港の特徴を踏まえ、港湾の安定化等に十分配慮する必要がある。
 港湾運送事業は、海陸の結節点である港湾において、国民生活、国民経済の生命線を担う重要な役割を果たしている。さらに、現在、検討が進められているスーパー中枢港湾構想においても、メガターミナルオペレーターの育成が重要なテーマとなるなど、我が国の物流の中核として港湾運送への期待は大きく、その重要性は今後さらに増していくものと考えられる。
 本懇談会としては、本報告の考え方に沿った新たな枠組みの中で、我が国の港湾運送事業が益々活力をもって発展し、経済社会に大きく貢献していくことを切に望むものである。
(注1)
    ①悪質事業者の参入防止策
     ?)欠格事由の拡充及び罰則の強化
欠格事由に暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)、労働者派遣法等の違反者を新たに含めるとともに、港湾運送事業の免許又は許可を取り消された者が、再免許又は許可を受けられない期間を2年から5年へと延長した。また、港湾運送事業法の罰則の強化を行った。
     ?)労働者保有基準の引き上げ
主要9港における労働者保有基準を規制緩和前の免許基準から1.5引き上げた。但し、この労働者保有基準の引き上げを円滑に実施できるよう、港湾運送事業者が作業の共同化等の斡旋等を行う事業協同組合に加盟している場合には、他の組合員の労働者を自己の労働者とみなすことができることとした。
     ?)一貫責任制度の維持
元請事業者である一般港湾運送事業者が引き受けた港湾運送について、引き受けた貨物の一定量以上を一般港湾運送事業者自らが行うこととする一貫責任制度を維持することとした。
    ②過度のダンピングによる港湾運送の混乱の防止策
     ?)料金変更命令制度
港湾運送事業者から届出された料金が著しく原価割れ(過度のダンピング)をしている場合等において、国土交通大臣が料金の変更を命ずることができる制度を導入した。
     ?)緊急監査制度
個々の港において過度のダンピングが広く行われているおそれがある場合において、当該港の港湾運送事業者に対して緊急に監査を行う制度を導入した。
    ②港湾運送安定化のための拠出金の確保
後述の拠出金については、その重要性に鑑み引き続き確保することとした。しかし、その支払い方式については、規制緩和以前には、認可料金制度のもと、拠出金を適正なコストと認め、認可料金の内訳として荷役料金の一部を徴収していたが、規制緩和によって料金制度が認可制から事前届出制となり、認可料金の裏打ちがなくなる等の理由から従来通り拠出金が確保されなくなることが懸念された。そのため、船社、荷主の理解と協力のもと、規制緩和を実施した主要9港においては、拠出金額に相当する荷役料金の一部の金額については(財)港湾近代化促進協議会(以下、「近促協」という。)に、荷役料金のうち残りの金額については港湾運送事業者に分割して支払う「分割支払方式」を導入した。
(注2)一貫責任制度:

一般港湾運送事業者(元請事業者)は、請け負った貨物量の70%以上を、自ら行うか、又は、当該荷役の実施に自らが責任を持つようにするため、当該元請事業者と一定の資本関係や契約関係にある港湾荷役事業者等(関連下請事業者)に行わせるかしなければならない(法第16条)。