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港湾運送の在り方に関する懇談会

第7回港湾運送事業の在り方に関する懇談会の経過について

全国港湾03FAX第59号(2004年2月2日)

.1月30日(金)10時より、第7回港湾運送事業の在り方に関する懇談会(以下、 「懇談会」と略す)が開催された。「懇談会」は、パブリックコメントの結果報告と懇談会報告案について審議した。
  審議の結果、第7回「懇談会」の審議をふまえて事務局(国交省港運課)が文書修正を行ったうえで、第8回「懇談会」で審議、とりまとめを行うこととなった。
  次回「懇談会」は、2月19日の予定である。

.事務局は、資料2及び資料2参考にもとづきパブリックコメントの結果報告を行い、労働組合から提出していた意見について資料3-1にもとづき報告した。そして、資料3-2にもとづきパブリックコメントをふまえて修正した報告案について説明した。事務局報告の後、審議に入った。各委員と行政の質疑は要旨以下の通り。

 公益/引き受け義務の廃止について、規制の廃止に伴って義務も廃止するとの考えは理解できるが、なお不安が残る場合は公益義務を活用するなどで対応する方法もあると思うがどうか。
 行政/参考資料4で各輸送モードごとの事業改善命令を示したが、公共性を考慮する等の場合はその他云々というかたちで対応を定めている。離島航路などに配慮する場合はこのような規程をラフな形で設けておくことも考え得る。公益命令は大げさになるので事業改善命令のなかで大くくりに対応していく方がいいのではと考えている。
 公益/地元住民への配慮をよろしくお願いしたい。
 組合/パブリックコメントにある規制緩和による混乱の危惧に対して、行政は地方港の活性化という方向で答えているが、中味が違うのではないか。審議の経過全体を見ると閣議決定が先にあって、これに議論を合わせているかのような感がある。本質的な論議になっていない。
 行政/報告案のP11で修正を加えている。地方港が地域の産業インフラ、生活基盤の役割を持っていることをふまえ地域の事業者に課せられたワクを緩め、事業者がユーザーのニーズに応えて動きやすくするための規制緩和と考えている。また、各地域の港湾関係者が安定化協議会の中で地域のために何をやるべきか、意見交換ができる場をつくることで活性化につながる。
 組合/資料5の説明を求めたい。
 行政/港湾につながる輸送モード、あるいは港湾運送の形態を図表にしたもので、下請法の適用の考え方を説明するためのものだ。4.2のケースが多いと考えられる。組合からも複合輸送に対応した総合的な監査の体制を指摘され、省内でも相談している。しかし、各部署はそれぞれ法律に基づき対応しており、利用運送を対象とする場合は困難がある。組織的、法律的な限界があることを理解して頂きたい。
 座長/ダンピングと過度のダンピングの定義の違いについてはどうか。
 行政/組合との協議の場でも良く議論になる。規制緩和は、コストセーブが狙いとの議論がある。しかし、港湾においてはコストを安くすると労働者への負担となる。本来、規制緩和によって事業が活性化し賃金もアップするということが狙いで、賃金のコストダウンで悪質事業者が参入してくるということになってはいけない。賃金を割り込み、労働者の生活を悪化させるような事態になることが過度なダンピングで、何%ならいいといったことではない。生活水準を切り下げるようなことは、いかがなものかと思っている。
 座長/わかりやすい。労働者の生活を悪化させるようなことはいけない。
 港湾管理者/悪質事業者の参入防止のための1.5倍化の問題が揚げられ、事業協同組合で対応できない場合に特例を設けてている。加えて「別途検討」といった指摘もある。その中味は何か。
 行政/隣接港がある場合などはいいが、港は1港で事業者も4社以上ないといった場合を想定している。ケース的には少ないとは思うが、個別に対応したいと考えている。
 港湾管理者/既存事業者の活動を締め付けることのないよう注意して頂きたい。報告案に規制緩和の目的として地域の発展とある。一方、パブリックコメントの集約では地方港の活性化が地域の発展につながると書いてある。少し違うのではないか。
 行政/地方港の活性化を通じて地域の発展・・・・と修正する。
 組合/港を使いやすく、大きくして活性化するという議論だが、ある地域では、その地域の80%の貨物が京浜地区の港に陸送されており、せめてその半分でも地元の港で扱えればという声があがっている。結局、取扱量、パイが大きくならなければダメということではないのか。先行9港はスパ中で懸命になってパイを拡大しようとしている。港湾管理者の意見を聞きたい。
 港湾管理者/環境問題もあるので、海運貨物を増やしていく方向が重要だ。トラック輸送ではなく内航輸送とすれば全体とした港湾貨物が増える。こうした方向を国土交通省として目指して頂きたい。
 邦船社/日本の港湾は極めて安定した労使関係になっていて、北米西岸などと比べても労使の努力で安定した港湾運営がやられている。物流に対する要求は極めて緻密で、貨物の滞留は困る。サービスの安定は大事なところである。規制緩和は事業の競争力をつけるところに目的があり、港湾労使、事業者と船社といったところでの内向きの対立ではなく、外向きの競争で強い港にしていくことが大事だ。外からの貨物をいかに増やし、いい運営とサービスをどうつくるか、そういった規制緩和でなければならない。一方、セーフティーネットについてもユーザーとして理解し、規制緩和の変化に対するリスクやダメージをカバーする必要もある。外向きの努力を我々は歓迎する。
 荷主/限られたパイをどう分けるか。限られたパイの中で積極的にコスト競争して欲しい。これが規制緩和につながる。こうしてシンガポール港とも競争できるようになる。
 外船社/対立をのぞんでいない。港湾労使には感謝している。民・民の努力の一方で行政の努力も必要だ。30%の施設料削減が、いつのまにか港湾全体のコスト削減目標になっている。港湾の活性化のために積極的に予算を獲得して欲しい。国の方針を予算で裏付けて欲しい。どういうスパ中をつくるのか、こんなことを外資系の我々が言えるのは日本だけだ。貿易立国の立場から、国は腰が引けて手はダメだ。30%のコスト削減でも貨物はこない。フィーダー港化するのは目に見えている。30%削減は国費でやるべきだ。あとは民・民の努力だ。
 組合/「労働コストを割り込めば過度なダンピング」といわれた。先行9港の実態を見ると過度なダンピングが行われているというのが我々の実感だ。規制緩和後の賃金、労働時間を見ると明らかで、国交省の資料でも、賃金は下がり労働時間は延びている。他産業との賃金比較では4ポイントも格差が拡大している。コスト競争が規制緩和というが、我々は競争力をつけるため364日24時間オープンを決断した。しかし、関係者の協力は何もない。波動性のリスクは事業者が負ったままとなっている。審議会の内容は、本質的な論議に踏み込んでいない。労使の安定というが、それ以上に労使に負担がかかっているとの認識を委員各位が持って欲しい。
 行政/物流二法の国会附帯決議でも港湾運送料金相当分の切り下げを禁じている。参考資料P14の3.1のケースでは荷主-利用運送間、利用運送-港湾運送間は独禁法の適用となる。同じく4.2のケースでは利用運送-外航海運、外航海運-港湾運送間が下請法の適用となる。
 座長/これまで7回の議論を重ねてきたが、本日提出された意見を踏まえて、再度、事務局で報告案を修正して、次回の審議でとりまとめとしていきたい。

以 上