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港湾運送の在り方に関する懇談会

全国港湾03FAX第36号(2003年11月13日)
11/11 港湾運送事業のあり方に関する懇談会の審議経過について
1.11月11日に第5回港湾運送事業のあり方に関する懇談会が開催された。議題は、① 拠出金制度について、②港湾運送事業法適用対象港について、③セーフティーネットの考 え方についてで、報告と質疑が行われた(報告内容は別添資料参照)。
  次回懇談会は、これまでの審議の中間的とりまとめについて審議することになった。第6回懇談会は12月5日の開催予定である。
2.審議に当たって、座長が全国港湾、日港協それぞれの代表に意見表明を求めた。各々の表明は、要旨以下の通り。
 (1) 全国港湾は、要旨次の意見表明を行った。
  ① 規制緩和を先行実施した特定港湾では、長時間労働と月間3~5万円もの賃下げがやられているのが実態で、規制緩和によって労働者に犠牲を強いている。全国港湾としては、規制緩和に反対であることの立場は変わっていない。
  ② セーフティーネットの考え方が示されている。保有基準の1.5倍化については、実施が困難なところへのフォロー措置が必要である。
  ③ 料金対策に関して、特定港湾の実態を見るとセーフティーネットが有効に機能していると思えない。現在やっている措置で良しとするわけにはいかない。安定した労働力の確保という点から料金ダンピングはあってはならない。国交省は「過度なダンピングはダメ」といっているがダンピングそのものが許されないのであり大問題である。
  ④ 諸外国では、ポートオーソリティーの機能が充実しており、当該港の在り方を関係者が協議してていくシステムがある。同様のものとは言わないが、各港で関係者が協議をしていく場は必要である。
  ⑤ 港湾での競争原理の導入は、港湾運送の公共性を否定することになる。引受義務の廃止は、中小荷主が被害を被る可能性がある。
  ⑥ 実施時期は、慎重に取り扱う必要がある。港湾労使は24時間稼働に踏み切ったが環境が整っていないことを何度も言ってきた。仮眠施設や交通手段の確保など何の措置もとられていない。ユーザーと行政の理解と協力が必要である。
 (2) 日港協(代理:山下)は、要旨次の意見表明を行った。
   全国港湾から意見表明があったが、いずれも傾聴に値するものだ。日港協の意見として資料を提出しているが、次回、会長が出席して業界としての考え方を述べる。
3.各議題について、事務局から資料2・3・4・5に沿って説明が行われた。説明の後、一括審議が行われた。審議経過は以下の通り。
 労組/資料2のP3に分割納入によって生じた問題点が出されているが、現行通りの取扱とすれば問題はなくなるのか。事務局の考え方を聞きたい。また、指定港について一歩つっこんだ考え方が示されている。しかし、30万㌧未満の港の指定港見直しとなると議論は別だ。これまでの行政指導のもとでがんばって事業を営む事業者、労働者がいる。
 行政/届け出制にしたときに、付加金を別にして届けるよう通達している。料金の届出の時に、これが入っていなければ料金変更命令を出し、監査の時もきちっとチェックしている。取りっぱぐれの懸念は理解する。考え方を見直すに当たっては、30万㌧未満の港の見直しを行うことは自然である。しかし、既存の事業者がいることは承知しており、現実的な対応をすべきと考えている。
 座長/拠出金の問題に関する記述は、もう少し説得力あるものとするよう工夫して下さい。 公益/引受義務の廃止について、ロジックとして理解するが、引き受けを拒否することで当該港や地域経済に混乱が起こることはないのか。起こるとすればそうならないような措置、あるいは法律があるのか。
 行政/恣意的に引き受けないとなると、差別取扱禁止義務に抵触することもあり、実態として引受義務違反に当たる行為がどのようなものか、想定するのが難しい。過去に、倒産が懸念される荷主との契約で先払いを要求したが受け入れられず、仕事を終えて請求書を回したら相手が倒産していたという事例があった。引き受け義務を廃止して差別的取扱禁止に抵触するような事例はない。
 公益/1社が拒否したら、他の業者が引き受けて物価が上がることもあるのではないか。 労働/下請法で、元請-下請間には適用となるのか確かめたい。事業者・労働者は公共性を持った仕事をしている。港湾は国家政策のもとで整備され、公共性があるからこそ免許があり資格がある。一方、ポートセールスが盛んにやられ、非指定港もやっている。港湾政策と港運政策がスッキリしていない。もっと積極的に指定港化すべきだ。
 行政/船社-元請間は下請法の適用となる。荷主-元請間は独禁法の適用となる。独禁法における特殊指定をうけるために、事業者を通じたアンケート調査を行っている。優越的な地位の乱用をどう考えるか検討中である。港湾政策については、港湾局と連携しながら進めている。分割納入に関して、福利厚生施設の充実や労働者の技能向上などのために拠出金を確保したいと考えている。座長からも指摘があったので、あらためて論理構成をしっかりやりたい。
 労働/先船優先という考え方があった。引受義務廃止となったら、特定の貨物を後回しにするようなこともある。中小荷主が後回しにされ、義務がなくなったら困るのではないか。
 労働/下請法と独禁法の適用の問題はもう一度きちっと確認して欲しい。規制緩和導入以降、港湾労働条件の悪化は深刻になっている。賃金は下がり労働時間は長くなっている。届出料金が下げられているからだ。認可料金に戻してくれと言いたいくらい    だ。
 行政/下請法、独禁法の問題は再確認するが、公取委からは、船社-元請間に下請法は適用になると聞いている。労働条件の指摘は資料にもあるとおり、指摘の通りだ。監査を強め実効あるものにしていきたい。
 労働/保有基準について、原則1.5倍として、できない場合は協同組合方式をやれと言って、そのうえで、それでもダメなら特例を考えるといっている。そうなると原則は何か。
 行政/保有基準の問題は、実態を考慮し、当該港とも相談していきたい。
 労働/今後の議事の進め方はどうなるか。
 行政/今回までの議論で、概ね論点が出されたと考える。基本的に来年の3月までに結論を得るということなので、その前段にはパブリックコメントも求め、それをふまえたとりまとめを行うことになる。したがって、とりあえず、次回に中間とりまとめ案を議論頂きたいと考えている。
 座長/次回は、12月5日とする。
以 上