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港湾運送の在り方に関する懇談会

全国港湾02FAX第81号(2003年5月19日) 

5/16 第1回港湾運送事業のあり方に関する懇談会の討議経過について

1.5月16日10時より、標記懇談会が開催された。懇談会は、本年3月28日に閣議決定された規制改革推進3ヶ年計画にもとづき設置されたもので、閣議決定は、「規制緩和を先行して実施した主要9港以外の港についても需給調整規制を廃止し免許制を許可制にするとともに運賃・料金の許可制を事前届出制とする規制の改革に向けて検討し平成15年度中に結論を得る」としている。懇談会の事務局は、国土交通省港運課が務めている。
  全国港湾は、安田議長が委員として参加する(今回は代理出席)。

2.討議経過は、以下の通り。
 (1) 懇談会は、国交省海事局長の挨拶で始まり、懇談会の委員の確認(資料1)の後、座長に杉山委員(一橋大学教授)を選任した。

 (2) 第一議題「港湾運送事業の現状及び最近の港湾物流効率化に向けた取り組みの現状」についての討議は、下記の通り(資料2参照)。
  ① 事務局より、資料2に沿って議題の提案を行った。
  ② 討議
   委 員 資料P15では香港の取扱がかなり伸びると予想しているが、中国各港の伸びやメーカーの中国進出の現状からいって、状況認識が違うのではないか。また、資料P18のコスト競争力の比較表は購買力平価を加味して調整しているのか。
   事務局 たしかに深洲港など中国各港の伸びは大きい。現在は、ソフト面でまだまだ不十分という評価があるが、長期的にみると中国本土の港が伸びている。コスト比較での購買力平価による調整はしていない。
   委 員 上海を中心に貨物は移行しているとみる方が現実的だろう。日本の荷動きについてもっと注目すべきだ。資料P12では北米航路の荷動きはほとんど変わっていない。この先、1700万TEUというのは厳しいのではないか。
   事務局 コンテナ取扱個数の予測については、もう少し調査を進める。

 (3) 第二議題「港湾運送事業法の概要及び規制緩和の経緯について」の討議は、下記の通り(資料3参照)。
  ① 事務局より、資料3に沿って議題の提案を行った。
  ② 討議
   委 員 資料P33で事業法改正後の状況が出ているが、行政当局としては、考えていたとおりなのか、当局としての感想はどうか。
   事務局 次回にアンケート調査の結果を紹介する。新規13件が多いかどうかという判断とは別に、全体としては効果が上がっている。規制緩和になったら、どんどん申請があって混乱するという関係者の懸念もあったが、港運事業者や船社も混乱がないように努力されている。労使が協調して前向きに努力されていることもある。
   座 長 正式にその効果をまとめたものはないようだが、この場で、相互に評価を出し合ってまとめていくしかない。
   委 員 免許の譲渡譲受で増えているのではないか。潰れるところもあって、それを譲渡譲受でフォローしているわけで、いわゆる新規免許ということではないのではないか。
   委 員 効果が上がっているとの感想があったが、海上運送分野は運賃が40から60%もダウンしているというのが一般論だ。経費削減という意味で効果が上がっても、事業の基盤強化、活性化、事業の安定運営という意味ではマイナス効果だ。労働者の賃金、労働条件など細かく検証しなければ判断できない。
   委 員 効果は大きい。これまで港湾の議論をするときは事業の問題にスポットがあたってきかったが、労使の努力が明確に出てきた。資料P18でコスト競争力の比較が出ているが、労働力や事業経費以外のコストが大きいことがわかる。入港税やタグ料金、水先料などだ。施設料、管理費なども注目されるところとなった。事業者の努力の一方で他の問題が注目されている。その結果、効果が出てきた。
   委 員 国際競争力に関心がある。日本発着貨物の誘致だけでなく、コストやサービスを重視して努力している。新規参入や撤退はどれだけあったか。ヨーロッパは巨大オペレーターが運営しているが、日本はどうか。
   事務局 数字的な把握も含め、次回以降に紹介していく。

 (4) 第三議題「今後の懇談会の進め方について」の討議は、下記の通り(資料4・5・6参照)。
  ① 事務局より、資料4・5・6に沿って議題の提案を行った。議論の進め方なり、検討課題は事務局として用意した「たたき台」であり、この場の討議で整理していきたい。また、議論のメインテーマとしては、地方港の規制緩和の方向ということでお願いしたい。
    また、今後のスケジュールとしては月一回のペースで議論をお願いし、次回と次々回は、10分程度のヒヤリング、意見表明の場を持つ予定もある。
  ② 討議
   委 員 主要な検討課題は地方港の規制緩和と考えていた。閣議決定も主要9港以外の港の規制緩和の方向の結論を得るということであった。しかし、資料5の検討課題をみると、かなり広範囲というか、日本の港湾そのもののあり方を検討するような提起であり、これは大変な議論を要する。二つのテーマをどのように議論していくのか。
   事務局 基本的には、地方港の規制緩和の方向性について議論をお願いしたい。一方、9港の規制緩和を審議した際に、ターミナルオペレーターの育成などが課題となっており、これらは、規制緩和の裏腹の問題として提起されてきた経過がある。IT化もそうだ。このように専門家の皆さんが集まっているわけですから、前回の答申を補足、検証しながら、また関連づけて議論を進めていただき、地方港の規制緩和の方向を検討願いたい。
   委 員 納得はしないが、ヒヤリングの場もあるので、そこで主張させていただく。
   委 員 確認するが、理解としては将来の港湾という点で議論もするが、あくまでも主要課題は地方港の規制緩和だということか。
   委 員 9港の規制緩和の結果を検証し、地方港の規制緩和を検討する必要がある。地方港の規制緩和を9港と同じということではこまる。サービスの向上やコストの削減は当然のことで、この面では国際的に追いついてきた。それをもう一歩進めて国際競争力をつけるとなれば財政も必要になる。また、スーパー中枢港湾、メガターミナルの課題と地方港の課題を統一的に考えなければならない。じっくりと論議する必要がある。
   座 長 地方港の規制緩和が主要課題であるということで進めたい。
   委 員 国際的な経済状況の中で、日本のデフレスパイラルという現状、こうした国の舵取りをやりながら規制緩和を進めるというのは矛盾がある。規制緩和は、日本経済の再生を妨げるのではなか。たとえば、スーパー中枢港湾構想はコストを30%ダウンするといっている。これでは、ますます経済は縮小することになる。そういう意味で、日本経済全体の中で港湾を位置づけて議論しなければダメだ。港湾だけをつまみ食いするような議論ではダメだ。

 (5) 以上の討議で終了し、第二回の懇談会は6月13日(金)14時からとし、第3回は7月下旬で日程調整することを確認した。

以 上