春闘方針草案


2011春闘方針(草案)提案にあたって

中央執行委員長 伊藤彰信

 鳩山首相から政権を受け継いだ菅首相は、普天間基地を辺野古に移設する日米合意を引き継ぎ、消費税の増税を表明するなど自民党と変わらない政策を掲げたため、昨年七月の参議院議員選挙で民主党は大敗しました。法人税を引き下げ、企業団体献金禁止を見直すなど大企業寄りの政策を推し進めています。
 リーマンショックにより大きく落ち込んだ景気は、政府の刺激策によって一時的に持ち直しをみせたものの、今後の見通しは見えていません。アメリカ経済の低迷、ヨーロッパにおける財政危機など世界的な経済危機は進行しているし、日本も人口減少、少子高齢化による経済規模の縮小は免れないわけですから、明るい状況はありません。→
11春闘方針草案.pdf

 この一年で民間労働者の給与は、23・7万円、5・5%下がり、1997年時点より62万円、13%下がっています。一方、資本金10億円以上の大企業は内部留保を244兆円も貯め込んでいます。この間、大企業は、リストラ、賃金・労働条件の引き下げ、正規労働者を非正規労働者に置き換えることによって、利益を上げてきました。内需の落ちこみが、更なる価格の引き下げ、賃金を下げる、購買力が低下するというデフレスパイラルの状況を生み出しています。にもかかわらず、政府の刺激策は、輸出産業中心であり、内需拡大に結び付くような政策ではありません。派遣労働など不安定な働き方をなくし、子育てや教育制度、医療、介護、年金などの社会保障制度など、安心して働き生活できる制度をつくり上げることが重要です。その根底に労働者の働く権利を職場から確立していくことが必要です。
 11春闘は、政治闘争、産別制度闘争、個別賃金闘争の3つ闘争をたたかうことになります。
 全国港湾は、規制緩和で「失われた10年」を取り戻すべく10春闘をたたかったわけですが、その中から政治課題を取り出し、料金ダンピングをなくすための認可料金制の復活、非指定港の指定港化、そして港湾労働者の雇用安定を図るために港湾労働法の全港全職種適用、石綿被害者の補償制度確立の4課題を掲げて政党、国会議員への働きかけを行ってきました。今年の通常国会には民営化を目指す港湾法改正案が提出される予定です。政治の場で港湾労働対策を実現していく重要なたたかいとなります。港湾の民営化の問題は、港は誰のものであり、地域の中でどのような役割を果たすべきかを問い直す絶好の機会です。地域に打って出て社会を味方につけるたたかいをしましょう。
 港湾の産別制度闘争では、昨年、港湾年金の新規登録復活をたたかいましたが、今年は六大港と地方港の産別協定上の格差をなくし、産別協定の適用を全国へ広げることが重要です。港湾運営基金の改訂期ですから、拠出金の確実な確保・引き上げを、全国港湾の連合体の組織をより強化していく展望とともにたたかわなければなりません。産別協定の適用対象を拡大していく、未加盟の労働者を組織化していく方針の中で実現できるものと確信します。
 個別の賃金闘争は、政治的、産業的な制度政策の裏打ちがあって引き上げが可能になるし、生活向上と若い人たちの将来設計のためにも引き上げをたたかわなければなりません。
 このような重要な11春闘を組合員の堅い団結でたたかいましょう。