産別闘争の力で制度政策要求の前進を


産別闘争の力で制度政策要求の前進を

中央執行委員長 伊藤彰信

 すでに港湾の民営化がすすめられているニュージーランドでは、一昨年夏、ニュージーランド最大の港であるオークランド港で民間運営会社からMUNZ(ニュージーランド海事労働組合)組合員300名の解雇、港湾作業の外注化(派遣会社から船が入港したときだけ派遣労働者が来て作業をする)の提案がありました。MUNZは昨年2月に3週間に渡るストを打ち、裁判所の仲裁で解雇は撤回されました。しかし、派遣会社からの派遣は行われ、派遣労働者はMUNZ組合員の半額以下の労働条件で働いています。その後も運営会社からはMUNZに対して労働条件の引き下げ攻撃が続いています。  ~続きを読むへ~

2013春闘方針草案
2013春闘方針草案.pdf
 イギリスでは、サッチャーの規制緩和政策によって1989年に港湾労働法が廃止されました。港湾労働法にもとづき港湾労働委員会に登録された港湾運送事業者と港湾労働者だけが、その港で港湾運送事業を行い、働くことができました。この港湾労働法がなぜ廃止されたかというと、港湾労働法が適用されない港でコンテナの取り扱いが増え、低い労働条件の派遣労働者が働いていたからです。港湾労働法の廃止によってイギリスでは港湾労働者の労働組合は壊滅しました。

 いま、日本では一昨年の港湾法改正に伴って、国際戦略港湾で港湾運営会社がつくられ、民営化に向けて具体的準備が着々とすすめられています。

 12春闘は、懸案だった規制緩和に対抗する政策要求の前進を勝ち取ることができました。港湾労働法の全港・全職種適用、認可料金制の復活の要求について、港湾労働法問題労使検討委員会の設置、料金ワーキンググループの設置が実現しました。13春闘は、テーブルについた政策要求の検討課題を具体化させ、さらに前進させることが重要です。

 そのためには、産別労働運動の強化が必要です。産別制度としての労働条件(産別最低賃金、基準賃金、標準者賃金、労働時間、休日・休暇など)についても、統一され、すべての地方に適用されなければならなりません。12春闘で1月2日の休日化が実現しました。11月の労使政策委員会で「短縮は1ポイント、実施は今年1月2日から」で合意しました。時間外基礎時間が現行より1時間短縮されることは全港・全職種適用です。
 
 隣りの企業の労働者が、また隣りの港の労働者が低い労働条件で働いていたら、ダンピングが横行し、港湾運送秩序が破壊され、港湾労働の安定が損なわれることになります。だから、今まで新規参入や非指定港の存在に反対をしてたたかってきました。しかし、全国港湾が協定している産別協定の適用範囲についてどこまで関心があったのでしょうか。地区団交権確立の要求は、産別協定を未組織の港湾労働者にも適用していく重要な要求なのです。

 規制緩和に対抗して政策要求、制度要求を掲げて産別闘争をたたかってきました。それをさらに一歩すすめる13春闘では、もう一度、要求の意味をかみしめて、自分の要求としてたたかいに臨むことが必要です。要求が固まれば、たたかいの8割は完成したとよく言われます。要求が団結の軸であり、その要求の獲得をめざして、揺るぎない決意でたたかえるよう、13春闘方針草案について熱心な職場討議を期待します。