港湾総がかりでのたたかう春闘に

 港湾総がかりでのたたかう春闘に

 中央執行委員長 松本耕三

 十二月の総選挙で安倍政権の続投となりました。金融緩和策により大幅な円安となり、生活に直結する食料品や中小の製造業者の原材料などの物価上昇が続いています。さらに、税収不足にもかかわらず大企業への減税を進め、社会保障財源はますます圧迫され、医療費をはじめとした社会保障負担の増大が懸念されています。
 このような厳しい情勢を跳ね返すためにも、二〇一五春闘は昨年以上の団結でたたかいぬいていかなければなりません。そのために、原点に戻っての要求の検討、たたかう方針の構築が求められています。→続き
2015春闘方針(案).pdf
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 一九八〇年代までの春闘では多くの企業が、無配(株主に対する配当がゼロ)であっても、一〇、〇〇〇円以上の賃上げを協定し、数十万円の一時金支給に合意していました。人員削減など簡単にできるものではありませんでした。財界も各企業も、「従業員の雇用と福祉を守ることは企業の社会的責任である」という姿勢を持っていました。
 ところが、近年、「企業は株主の利益のためにある」と公言してはばからず、膨大な利益を上げても労働者には還元しない企業がほとんどです。少しでも利益が下がれば、派遣切りを行い、パワハラで職場を追い出すような実態が多くなっています。製造現場では低賃金の派遣労働者を働かせながら、その企業の社長の報酬は労働者の三〇〇倍にもなっていることが報道されています。二〇〇〇年以降、株主への配当は史上最高額を更新し続けているにもかかわらず、労働者の賃金は低下してきました。
 このような状況を作り出してきた要因の一つに、労働組合の力量が低下していることもあります。そして、賃金闘争についても企業内の利益配分を中心とした企業内交渉にとどまり、文字通り財界が主張してきた「経済整合性に基づく賃金交渉」となってきてしまったことも要因としてあるのではないでしょうか。
 全港湾は「一律二〇、〇〇〇万円の賃金引き上げ要求」を提案しています。要求が組合員の実感からかけ離れている、妥結額との開きが大きすぎるなどの意見もあります。しかし、大幅賃上げの要求は、労働者が豊かな生活を営み、子供を教育し、安定した老後を過ごしていけるための要求です。かならずしも、企業内の交渉だけで解決できません。港湾産業全体のたたかいで、港湾のダンピングを阻止し、港湾秩序を守るたたかいと結合して、賃金水準の引き上げをたたかうことが必要です。多くの労働組合と共同で、社会保障の引き上げや不平等税制に反対するたたかいも取り組まなければなりません。春闘は、労働者が健康で豊かな生活をするための権利宣言のたたかいです。
 日程では産別闘争を重視して回答指定日を四月上旬として提案しています。港湾産別の制度交渉の山場が四月上旬になることを想定し、産別闘争と連携した賃金交渉を進めることとしています。全国港湾加盟の各単組の賃金交渉も産別交渉と一体的取り組みを目指しており、文字通り港湾総がかりでのたたかう春闘としていきましょう。
 二〇一五年春闘は、産別闘争を重視するとともに、トラック、海コンをはじめとした全組合員の労働条件の引き上げをたたかいなければなりません。そして、非正規労働者をはじめとした全労働者の労働条件引き上げにつながる春闘構築のためにがんばりましょう。